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2003年6月4日

地下鉄東西線ルート・卸町

卸町会館前バス停

卸売市場方面・卸町会館前バス停、仙台銀行卸町支店

都市計画道路東仙台南小泉線・西側
仙台市若林区卸町1丁目6番地

卸売市場方面・卸町会館前バス停、仙台銀行卸町支店

若林区卸町と大和町(やまとまち)の境、大和町4丁目交差点付近には地下鉄東西線の(仮称)卸町駅が設置される予定になっています。
卸町の入口である大和町4丁目交差点付近に設置される(仮称)卸町駅は、卸町地区の通勤手段として、街の活性化の起点として利用されることになります。

まず最初に、卸町地区の通勤手段としての地下鉄東西線・(仮称)卸町駅を考えてみたいと思います。

卸町の現状の公共交通手段としては、JR仙石線を利用して宮城野原、陸前原ノ町、苦竹の駅から歩くことも考えられますが、一般的には路線バス利用が多いと思われます。

写真撮影日、2003年6月4日水曜日の朝に、仙台駅西口バスプールから卸町会館前まで路線バスに乗ってみました。
仙台駅前(仙台駅西口バスプール)8時1分発、志波町・卸売市場経由東部工場団地行きのバスは、席は満席、立っている人はまばらな状態で、自分の時計で8時2分に発車しました。仙台駅西口バスプールを出たバスは、愛宕上杉通を南へ下り五橋1丁目交差点を左折して新寺通(都市計画道路清水小路多賀城線)へ入ります。
新寺通に入ってしばらくは順調に進みましたが、二軒茶屋東華中学校前バス停手前から渋滞で進まなくなってきました。二軒茶屋東華中学校前バス停は8時11分に通過、渋滞は宮城野2丁目交差点まで続きましたが交差点を過ぎると渋滞はなくなり、JR貨物宮城野駅前の宮城野三丁目南バス停を8時20分に通過、薬師堂橋(宮城野陸橋)を渡り白萩町バス停を8時21分に通過、地下鉄東西線(仮称)卸町駅予定地である大和町4丁目交差点を左折して卸町一丁目バス停には8時25分に到着しました。卸町一丁目バス停では運賃支払いのトラブルで発車が遅れましたが卸町会館前に到着、8時29分に発車して行きました。仙台駅西口バスプールから卸町会館前バス停までの所要時間は約27分、運賃は240円でした。

時刻表では、仙台駅前8時1分発、二軒茶屋・東華中学校前7分発、宮城野三丁目南9分発、卸町一丁目15分発、卸町会館前8時16分発となっていて、時刻表どおりであれば所要時間約15分で到着することになりますが、実際には約27分掛かっています。

所要時間が長くなっている原因のひとつは、東華中学校付近の渋滞です。
都市計画道路清水小路多賀城線の薬師堂橋(宮城野陸橋)付近の卸町行き車線が1車線に減少しているため、橋手前の東華中学校付近で渋滞が起きています。
現在、薬師堂橋(宮城野陸橋)の架け替え工事が行われていて、前後の道路も拡幅が進んでいますので、今後道路整備が進むことによって渋滞は緩和されるものと思われます。

所要時間が長くなっているもうひとつの原因は、多くの人が卸町一丁目と卸町会館前バス停で降車していて、降車時の運賃支払いの時間が掛かっていることが考えられます。

地下鉄東西線が開業したときには、仙台駅方面から卸町の入口、大和町4丁目交差点付近までは確実な時間で到達できるようになります。
地下鉄東西線の仙台駅−(仮称)卸町駅間の所要時間は9分、距離は約4.6キロメートルといわれています。
地下鉄南北線の現在の運賃表に、厳密な数字ではありませんが仙台駅−(仮称)卸町駅間の所要時間や駅の数をあてはめてみると、運賃は240円になります。

地下鉄が開業したときには歩くことになる、現在の卸町地区の中心である卸町会館・卸商センター前交差点から地下鉄駅予定地の大和町4丁目交差点までを、今回歩いてみました。
経路は、卸商センター前交差点南西角・卸町グリーンストア前から、都市計画道路東仙台南小泉線の西側歩道をまっすぐ南下し、大和町4丁目交差点北西角のガソリンスタンド前まで歩きました。
歩いた距離は地図上の計測で550メートル、実際に掛かった時間は6分でした。不動産広告の基準である1分80メートルで計算すると7分になり、途中信号のある交差点が3ヶ所ありますので、多少早足だったかもしれません。

仙台駅−卸町会館・卸商センター前交差点間の所要時間は、現在の路線バス利用と将来の地下鉄利用で、どのように変わるのでしょう。
地下鉄東西線の仙台駅−(仮称)卸町駅間の所要時間は9分、卸商センター前交差点から地下鉄駅予定地の大和町4丁目交差点までが実測で徒歩6分。単純に足して15分になります。
現在のバスは、仙台駅西口バスプールから卸町会館前バス停まで、朝の通勤時の実測で所要時間は約27分となっています。
地下鉄と徒歩では15分、路線バスでは約27分と、地下鉄開業後は所要時間が半分近くになるように思いますが、地下鉄の所要時間は電車の乗車時間であり、実際にはプラットホームから改札口、改札口から地上出入り口へと地下鉄駅構内を歩く時間が掛かりますので、その分も所要時間に加える必要があります。
路線バスは、時刻表どおりに走ると所要時間は約15分、東華中学校付近での渋滞で10分程度余計に掛かっていますので、渋滞が緩和されただけでも17分に短縮出来る可能性があります。

卸町地区全体で見ると地下鉄、バスの公共交通機関利用が便利になる場所は(仮称)卸町駅に近い場所だけで、駅から遠い会社に通勤する人は長い距離を歩くか、駅に発着する地区内循環路線バスに乗り継ぐことになり、現在よりも通勤の所要時間が短く、運賃が安くなる場所は少なさそうです。

仙台市の駅乗降客数の見込み(*1)、現在自家用車通勤している人の多くが地下鉄通勤に切り替えることを前提にしているように思いますが、地下鉄東西線の開業によって卸町地区の通勤手段としての公共交通が便利になるとはいい難く、実際には自家用車通勤をしている人の地下鉄通勤への切り替えは少なさそうです。

ここからは、卸町の街の活性化という側面から地下鉄東西線・(仮称)卸町駅を考えてみたいと思います。

(仮称)卸町駅の位置は卸町地区の南側、大和町との境の大和町4丁目交差点付近に設置される予定になっています。
卸町地区の活性化を重視すれば卸町の中心である卸商センター前交差点に卸町の駅を設置することが自然ですが、卸町地区の通勤時だけの利用では需要が足りず、北側に並行するJR仙石線との競合もあり、マンションが建ち並ぶ大和町側の需要も取り込めるように大和町4丁目交差点付近に決められたようです。

地下鉄駅とは、他の地区に繋がる便利で希少な出入り口として、駅周辺地区の人の流れを確実に集約する場所です。
恒久的な施設として人の流れを集約する地下鉄駅付近は、安定性のある中心性を持つことになり、駅から遠い場所よりも土地利用が促進されることになります。

地下鉄東西線に乗って(仮称)卸町駅から降り立つのは、卸町に用件がある人、卸町に通勤している人、バスに乗り換えて卸町・東部流通業務地区へ通勤する人、大和町へ行く人。たくさんの人が降り立ちます。
卸町の中心と口で言わなくても、地下鉄駅乗降客から見た卸町の中心は地下鉄駅になります。

現在は、卸商センター前交差点付近に銀行や商業施設、産業見本市会館等、卸町地区の中心施設が集まっています。
卸商センター前交差点から南側と西側に卸関係の事業所が建ち並んでいます。
車を中心とした街である卸町地区は、卸商センター前交差点を中心にしながらも比較的立地条件の差の少ない、フラットな街の造りになっています。

しかし、(仮称)卸町駅が出来ると、駅に近い卸町地区の南側は通勤の面でも開発の面でも良い場所となりますが、駅から遠い卸町地区の北側は通勤時の都心直通バスが少なくなり、再開発するとしても良い場所にはなりません。

地下鉄開業後も、卸町地区が車を中心とした街であり続けたとしても、大和町の中心として駅周辺が商業地として大きくなる可能性があります。
卸町地区の人の目や足が必然的に(仮称)卸町駅を向くわけですから、卸商センター前交差点の中心性は自然に低下してゆきます。

地下鉄の駅が出来るとすれば、卸町地区の中心機能はすべて駅前に移転する必要があると思います。
仙台の中で卸町地区の拠点性を高めるためにも、人が集まる所=卸町地区の中心、とする必要があります。

地下鉄を前提としなければ、卸町地区を中心とした街づくりが可能になります。
仙台駅東口から宮城野通、宮城野原公園総合運動場、国立病院南東側の貨物線ガード、卸町通と繋げて、仙台駅東口・宮城野通地区と連動した街づくりをする、「広域東部地区」というような考え方もできます。
宮城野通と卸町通を繋ぐことによって、商業地区の緩やかな連続化、仙台駅との距離感覚を短縮することができ、急速に発展する仙台駅東口・宮城野通地区と相乗効果をあげることも可能になります。

仙台駅東口から宮城野通−卸町通と繋げた道は、1車線を終日バス専用レーンにして、基幹バス路線とします。
そして、仙台駅東口から卸町会館前を経由した大和町、六丁の目・荒井地区へのバスを走らせます。
交通渋滞の影響が少なく、所要時間の確実性を高めることが出来ます。
卸町地区を通って若林区内各地に行くバスが増えることによって、卸町地区の日常空間化に繋げることができますし、卸町地区だけでは需要が少なく本数が増やせない路線バスを、卸町地区の先にある住宅地の需要を取り込むことによって増やすことが出来るようになります。

卸町は仙台の中の機能拠点です。卸町の街の機能を一般的な街に近づけて行くよりも、卸町の特性、個性を強化して一般の人に魅力を感じてもらうことが重要だと思います。

街づくりの事を考えれば、地下鉄でも路線バスでも始発点、経由地、終着点と、どの街と繋がるのが良いか、相乗効果をあげることができるか、ということが重要です。

駅(地下鉄の出入り口)やバス停の位置も、どこでも良いというわけではなく、街の中心施設や道路、人の歩く流れにあわせたものにする必要があります。地下鉄の出入り口は用地確保の難しさから妥協した位置に造られることが多いようですが、本当に人間に地下鉄に乗ってもらおうと考えるのであれば出入り口の位置の妥協は街づくりや開業後の乗降客確保に大きな問題を残します。

街づくりをする上で本当に必要なものは何か。もう少し考えてみる必要があると思います。

                      2003年6月19日 三河恵介

(*1) 仙台市HP-平成13年11月・東西線沿線まちづくりの基本方針-参考資料(東西線の乗降客数の見込み)

2003年6月19日 仙台・地下鉄東西線計画について、地下鉄東西線計画の概要、新旧資料の比較

卸町神社・仙台銀行前の交差点から東仙台南小泉線・南行き方向

仙台市若林区卸町1/2丁目

卸町神社・仙台銀行前の交差点から
都市計画道路東仙台南小泉線・南行き方向

卸町グリーンストア

卸町通・都市計画道路東仙台南小泉線、
卸商センター前交差点・南西角
仙台市若林区卸町1丁目6番地

卸町グリーンストア

 
青葉区 若林区
仙台駅前 卸町会館前バス停 卸商センター前交差点
卸町と萩野町の境 (仮称)卸町駅予定地・
大和町4丁目交差点
六丁目交差点
卸町五丁目公園 中央卸売市場前 箱堤交差点
卸売市場北側入口−
小鶴新田駅の道
日の出町2丁目交差点周辺 JR小鶴新田駅建設工事現場
 

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